自民党で長きにわたり権力を握ってきた二階俊博前幹事長(82)と麻生太郎副総裁(81)。2人はすでに80歳を超えてすでに「長老議員」の域に入っているが、いまだ派閥の領袖として若手・中堅議員への影響力は大きく、次期衆院選への出馬も決まった。衆院選の比例代表では「73歳定年制」という自民党独自のルールがあるが、この撤廃を求めるベテラン議員と堅持しようとする若手議員との間では意見が対立してきた。総選挙も間近に迫るなか、党内で長老議員が幅をきかせ続ける現状について、自民党の若手議員はどう思っているのか。現職の若手や自民党OBに聞いた。
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「次の衆院選に私が立候補するのは、当たり前のことだ」
二階氏は今月2日、和歌山県内のホテルで後援会関係者ら400人を集めた会合を終え、記者団にこう述べた。当選12回。直近まで歴代最長となる5年超も幹事長として権勢を振るい、これまで自民党総務会長や経産相も歴任した二階氏だが、いまだ権力欲は衰えない。11日に自民党が発表した次期衆院選の1次公認候補(小選挙区)にも選出され、正式に出馬が決まった。だが、二階氏が出馬の意向を示すと、ネットでは「いつまで権力にしがみつくのか」「若い議員に道を譲るべきだ」といった批判も噴出した。
次期衆院選を機に、伊吹文明元衆院議長(83)、大島理森衆院議長(74)、塩崎恭久元官房長官(70)など、引退を表明した自民党の大物議員も多い。その一方で、二階氏や麻生氏は80歳を超えてもなお、後進に道を譲る様子はない。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、その理由をこう推察する。
「二階さんはこれから何かを成し遂げようというよりも、党内ににらみを利かせるために政界に残る判断をしたのでしょう。麻生さんもそうですが、官僚出身でない親分肌の党人派の人たちは、こういうことをやりたがる。二階さん、麻生さんの顔色をうかがいながら仕事をするのに疲れている若手・中堅議員は党内にたくさんいるはずです」