「つみたてNISA」で一番人気を誇る米国株のインデックス型投資信託。同じ米国株投資信託でも、S&P500と全米株式ならどちらが良い?
【注目】米国株投資信託の2つの指数、違いは? チャートはこちら!
純資産総額で見ると「S&P500」が圧倒的だが、そもそも全米株式の投信は数が少ない。選び方のヒントを紹介する。
■S&P500は31年で10倍以上も上昇
1990年から31年間のチャートを見ると、米国株の代表的指数、S&P500は10倍以上も上昇している。伸び方が強烈すぎて、日経平均株価の値動きがほぼ横ばいに見えてしまうほどだ。
米国株人気は「つみたてNISA」でも絶大。S&P500に連動する投資信託(以下、投信)の代表格は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」だ。
米国株投信の大多数がS&P500に連動している中、米国市場に上場するほぼすべての株式に連動した成績を目指す投信もある。こちらの代表は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」だ。
S&P500と全米株式の違いと選び方のポイントについて、三菱UFJ国際投信の野尻広明さんに取材した。
■年4回銘柄入れ替えを検討するS&P500
「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているのがS&P500です。時価総額や財務の健全性、取引のしやすさを示す流動性に加え、業績、業種のバランスを考慮して選んだ大型株500銘柄を、時価総額ベースで指数化しています。
不定期ながら主に四半期ごとに銘柄入れ替えが検討されています。不振企業を外し、有望な企業を加えるのです。そのため、米国を代表する大型優良企業が常に組み入れられています」
一方、全米株式の投信は米国株3828銘柄(2021年6月30日現在)を組み入れた「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」が対象指数。CRSP(シカゴ大学証券価格調査センター)という団体が算出している。