東福岡時代の福井翔大 (c)朝日新聞社
東福岡時代の福井翔大 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 大分で23日に行われるオーストラリア代表ワラビーズ戦を皮切りに秋の国際試合シーズンを戦うラグビー日本代表がこのほど決まった。サクラのジャージーを目指して宮崎市での合宿でしのぎを削ってきた候補選手の中でも大きな話題となったのが、将来の代表を担う期待がかけられた「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」として招集されたワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)だ。

【高校ラグビー「平成最強校」で頂点を極めた高校は? 独自ランキング全32校はこちら!】

 身長202センチと国内では規格外の大型ロックは、昨冬に東大阪市花園ラグビー場で開かれた全国高校大会でファンの注目を集め、今年3月に流通経済大学柏高校を卒業したばかり。残念ながら今回の代表メンバーには選ばれなかったが、来年1月に始まる新リーグ「リーグワン」の1部に属する強豪で鍛えられ、日本代表の大黒柱へと成長することが期待されている。

 現在では早稲田大学の河瀬諒介の父親として知られる摂南大学総監督の河瀬泰治氏も、現役時代は大阪工大高校(当時)入学時から「怪童河瀬」と全国にその存在が響き渡った高校生ラガーマンだった。その後、明治大学、東芝府中(当時)でも常に活躍を続け、日本代表の中心選手として活躍した。

 ディアンズも含め、河瀬泰治氏のように高校時代から名前を知られ、日本代表の主力として活躍することを期待される選手は多い。

 今回、ディアンズと同じくNDSとして候補合宿に参加した福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は3年前に東福岡高校のキャプテンとして花園で活躍。監督に「高校ラグビー界の清宮君(プロ野球日本ハムの清宮幸太郎選手)かな」と評されたことから、大会中には「清宮級怪物」という見出しがスポーツ紙に踊った。卒業後は大学には進学せずトップリーグ(当時)の強豪にプロ選手として加入。2017年度のU20代表に唯一の高校生として選ばれた逸材は順調に成長し、今度はチームの最年少選手として見事に初代表を射止めた。

 東福岡には高校時代からトップカテゴリーで活躍する大器が多い。東京オリンピックのラグビー競技(7人制)日本代表の藤田慶和(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は高校3年時にセブンズ(7人制)日本代表の一員として国際統括団体のIRB(現ワールドラグビー)が主催する世界大会に出場。卒業直前には当時のエディー・ジョーンズヘッドコーチが初めて選んだ15人制の日本代表にも選ばれ、その後、2015年のワールドカップに出場した。また、藤田の1年先輩で元日本代表の布巻峻介(同)も高校時代にセブンズの日本選抜に選ばれて国際大会に出場している。

次のページ
成功するのは必ずしも“怪物”ではない…