また、今回のNDSに追加招集された梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)は報徳学園高校時代にジョーンズヘッドコーチの目にとまり、花園出場前の3年時に日本代表合宿に呼ばれたことがある。昭和の時代では、高校生で代表候補合宿に呼ばれた藤原優氏(日川高校―早稲田大学―丸紅)が、いわば怪物高校生の元祖。野性味あふれるパワフルな走りで「アニマル藤原」と呼ばれたウイングはその後日本代表の中心選手となり、世界選抜にも選ばれている。

 ただし、高校時代の評価とその後の活躍が必ずしもマッチするわけではない。

 ジェミー・ジョセフヘッドコーチ体制の日本代表にあって、唯一無二の絶対的司令塔の立場にある田村優(横浜キヤノンイーグルス)は、國學院栃木高校時代に全国大会に出場しているものの、高校日本代表には選ばれていない。さらにU20日本代表も「本番」となる国内開催のU20世界選手権を前に外された。能力がようやく正しく評価されて再びサクラのジャージーを着たのはジョーンズヘッドコーチ体制になった2012年。それ以降は常に日本代表に名を連ねている。

 また、日本代表として日本協会がキャップ対象とした国際試合で計65トライをあげて世界記録を更新、ワールドラグビーのラグビー殿堂入りも果たしている「世界のトライ王」大畑大介氏(東海大仰星高校―京都産業大学―神戸製鋼)も、高校3年時の高校日本代表には当初選ばれておらず、他の選手の負傷辞退によって追加招集された。

 現在、全国各地で花園の予選が進行中だ。今シーズンはどんな怪物や大器が現れるのだろう。また、将来の日本代表を担う才能がどこに隠れているのか。2027年のワールドカップでサクラのジャージーを着る選手が必ずどこかにいるはずだ。

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