資産運用アドバイスのプロでありファイナンシャルプランナーの西原憲一さん(写真/本人提供)
資産運用アドバイスのプロでありファイナンシャルプランナーの西原憲一さん(写真/本人提供)

■株式100%の投信に比べてマイルドだが戻りも弱い

 コロナショック時の下落率、戻り方についてファイナンシャルプランナーの西原憲一さんに聞いた。

「8資産で26%の下落ですから、株式オンリーのインデックス型投信の約半分程度のマイナスで済んでいます。債券が入っていることで基準価額の変動率はマイルドにはなりますが、その分、下落後の戻りも弱い」

 下落が怖いからといって、債券だけの投信を買うのもおすすめしない。先ほど検証結果を紹介した「eMAXIS債券バランス(2資産均等型)」は国内と先進国の債券に半分ずつ投資する投信だが、あまり下落しない代わりに上昇もしていない。

「2資産の投信を買うぐらいなら、資産の半分は現金で持っておき、残り半分で株式投信に投資したほうが、つみたてNISAの非課税枠の有効活用という意味でも賢明。そもそも債券のみの投信はつみたてNISAの対象外です」

 とはいえ株式100%の投信には抵抗がある初心者もいるだろう。その場合、リターンも重視するという観点から、バランス型では8資産か5資産が過去の実績が良い。

AERA Money 2021秋号
AERA Money 2021秋号

■年金運用をまねるなら資産4分割

 期待できるリターンはさらに下がるが、日本の年金運用を行っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用をまねてみるのも悪くない。GPIFのホームページにアクセスすると運用資産の構成割合が公開されている。

 年金の運用スタイルは、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券に各25%ずつ分散投資するというもの。それと似た4資産型では、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」に注目だ。

 できればつみたてNISAでは、できるだけリスクを取って株式重視の投信を買い、こういった4資産型は普通の特定口座で運用してほしいとは思うが……。

 なお、アエラ増刊「AERA Money 2021秋号」では、つみたてNISAで買えるバランス型投信から「資産均等タイプ」の投信全14本を、規模/コスト/リターン/運用効率/リスクの5項目で忖度なしに100点満点で独自採点。そのランキング結果を公表している。

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西原憲一(にしはら・けんいち)/UFPF代表。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、税理士。つみたてNISAやiDeCoにも精通し、メディアや講演で資産運用をアドバイス

(文・綾小路麗香、伊藤 忍)

※『AERA Money 2021秋号』から抜粋 

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