今でも年に何回かはコントライブを開催している。最近は、「コロナの時代のコント」というテーマで書いたりもした。
「コントは、演じることよりネタを書くのが好き。人が書いた芝居で役を演じるときは、また別の快感があります。舞台では、作品の中でちゃんと役を生きないと、作品が評価されない。一人コントなら、自分が頑張れば評価されますけど、お芝居は相手がいることだし、評価されるのは作品であってほしいと思う。でも、映画にしてもテレビにしても、芝居の面白さというかコツに気づいたのは最近です。まだまだですけど、『ちょっとこうしたらどうかな?』みたいな楽しみ方ができるようになった。恥ずかしながら、最初は『自分が目立てばいいじゃん』みたいな感じでしたからね(笑)」
芝居もコントも落語も、「話があったから、乗ってみよう」程度の気軽さで始めたことが長く続いている。続ければ続けるほど、面白さが見つかるからだ。(菊地陽子 構成/長沢明)
モロ師岡(もろ・もろおか)/1959年生まれ。千葉県出身。78年劇団「現代」に入団。芸人としてテレビに進出後、北野武監督作品「キッズ・リターン」(96年)で中年ボクサー役を好演し注目される。以降、映画、舞台、テレビドラマで活躍。コントの舞台や一人芝居なども。他に、サラリーマン落語で高座に上がることもあれば、しみじみフォークソングウクレレ弾き語りライブも行っている。
※週刊朝日 2021年10月29日号より抜粋