私を含むLの一族のみんなの泥棒スーツは、ドラマのシーズン2、映画と進む中で、ちょっとずつ改良されていってるんです。硬かった素材がどんどん軟らかくなって、アクションがやりやすくなっていたり。でも、泥棒スーツを着ていて暑くて苦しい季節もあればちょうど良い時もあるんです。今回の映画の時は寒すぎて防寒のしようがなかったぐらい(笑)。厚手のインナーを着ていたんですけど、それでもすごく寒い時があって。でも、「ゴレンジャー」とか戦隊ものも季節が変わっても服装はそのまま同じですよね。寒いからといって泥棒スーツを変えることはできないので、どんな季節にも対応していきました(笑)。

――「本シリーズを通じて学んだことは?」と訊くと、少し間を置いてから力のこもった声で「貫くこと」と答えた。

深田:Lの一族には家族愛が根底にあって、どんなことがあっても人を殺めないっていう信念があります。“愛を貫く”ということがシリーズを通して一貫していると思います。映画では華がこれまで抗ってきた“泥棒一家の娘”という運命を受け入れて生きていく決意をするんですが、それもやっぱり家族を守るため。でも、はっきりと「受け入れて生きていく」って言っちゃった時は、「受け入れちゃっていいのかな?」と、個人的には思いました(笑)。

 やっぱり、華ちゃんの魅力って、優しさと強さを兼ね備えているところだと思うんです。その両方を持っている人はなかなかいない。シーズン2でお母さんになって、娘と一体となって戦う姿に改めてその魅力を感じました。

――14歳で俳優デビュー。以降、24年もの間、エンタメの最前線で活躍してきた。

深田:作品を観てくださった方や応援してくださる方の言葉や思いで何とかやってこられたと思っています。10代の時はまだ恐れを知らなかったので、わけがわからずに頑張れたところがありましたけど、年を重ねれば重ねるほど、怖さは感じるようになりました。

 このお仕事は正解がないところもあるのでずっと迷っています。満足できたら幸せだろうなと思いますけど、その感じは一生掴めないんじゃないかなとも思います。でも、求めていただいているからこそ、いま私はここにいられる。ありがたいな、という気持ちでいっぱいです。

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