慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が19日、自身のYouTubeチャンネルで動画を投稿。「国会代表質問で『竹中平蔵さん』を登場させるおバカな人たち、いつも宣伝ありがとう 平気で民間人を弾圧する某野党とチラつく守旧勢力」というタイトルで、立憲民主党の森ゆうこ副代表を批判した。「言論圧迫を行っている」と訴えたのだ。
竹中氏が問題視したのは13日に行われた参院本会議だ。岸田首相の所信表明演説に対する代表質問に、「立憲民主・社民」会派を代表して森ゆうこ副代表が登壇。
森議員は代表質問の中で、新自由主義から決別するのか岸田首相に迫り、「新自由主義の旗振り役であると多くの国民が認識している竹中平蔵氏と決別することを勧めます」と進言した。
「国の政策に多くの影響を及ぼしてきた規制改革推進会議、国家戦略特区WGなどの官邸会議の構成員は選挙で選ばれたわけでもなければ、利益相反や守秘義務について定めた国家公務員倫理規定が必ずしも適用されません。このような無責任な体制を改めるべきではありませんか?」と迫ったのだ。
岸田首相は「人事に関わるお答えは差し控えるべきだと思いますが、ご指摘の規制改革推進会議や国家戦略特区WGについては議論の透明性に務めるなど法令にのっとりオープンなプロセスで進められており、無責任というご指摘は当たらないと考えている」と答弁した。
竹中氏は森議員の代表質問について動画で言及。
「国会の本会議の代表質問で1人の民間人の名前を出すセンスの悪さ。これは凄いなと思いますよ」と苦笑いを浮かべ、「国会は国権の最高機関です。その最高機関の権力を振りかざして言論人の私に対する圧迫を行っている。言論の自由だとか偉そうに言っている政治家が自ら権力を利用して言論圧迫を行っている。こういう事実認識がないんですよね」と痛烈に批判した。
そして、「そういうことを繰り返しているから残念だけれども野党の支持が上がらないと思います」と指摘。「私も野党に頑張ってほしいと思います。野党が健全でないと与党は独走しますから。しっかりといい議論をして頂きたい」と語った。