右から自民党の甘利幹事長、岸田首相、麻生副総裁、遠藤選対委員長(C)朝日新聞社
右から自民党の甘利幹事長、岸田首相、麻生副総裁、遠藤選対委員長(C)朝日新聞社
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 衆院選は10月31日の投開票まで残り1週間となり、後半戦に突入した。

【画像】自民党の甘利幹事長と遠藤選対委員長名で出された「檄文」はこちら

 自民党や立憲民主党の情勢調査やメディア各社の世論調査などを分析すると、自民党が公示前の276議席を維持することはかなり難しく、単独過半数(233議席)を維持できるか、否かの攻防になりつつある。

 立憲民主党と共産党などの「野党共闘」が功を奏し、前回(2017年)の衆院選よりも接戦となっている小選挙区が全国で多くみられるのだ。

 そんな中、自民党が共産党をターゲットにした「ネガティブキャンペーン」を激化させている。

 安倍晋三元首相は10月21日、衆院選の応援で横浜市に入り、応援のマイクを握った。

「自民党、公明党の安定政権か、立憲民主党、共産党の政権か。『日米同盟は破棄、自衛隊は憲法違反』が共産党の基本的な政策です。共産党の力を借りて立憲民主党が政権を握れば日米同盟の信頼関係は失われてしまうのは間違いない」

 自民党は同日、甘利明幹事長と遠藤利明選挙対策委員長の連名で「急告」という檄文を各選挙区へ配布している。

 AERAdot.が入手した<情勢緊迫 一票一票の獲得に全力を!!>というタイトルの文書には以下の記述がある。

<全国各地で多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にあると認識しております。今般の選挙は多数の選挙区で与野党一騎打ちの構図にあり、かつ、コロナ下にあって、組織力が十分に発揮できない状況に至っているのは憂慮に堪えません>

 危機感を露わにし、野党共闘への異議を唱えている。

<与野党一騎打ちの構図によって、かえってこの選挙が「(自公の)自由民主主義政権」か「共産主義(が参加する)政権」かの体制選択選挙であることが有権者の目に鮮明となっています。我々は我が国の将来のために自信を持って自由と民主主義に基づく政権の継続を訴えていかなければなりません>

 共産主義の脅威を訴えつつ、危機感をこうにじませていた。

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危機感をにじませる自民党