心不全の治療は、症状がある場合には、まず心不全症状を改善させるための治療をおこない、症状が落ち着いたところで、原因である、さまざまな心臓病の治療をおこなう必要がある。

 薬物療法以外に、冠動脈の病気なら冠動脈にカテーテルを入れて広げる治療や、詰まった血管の迂回路を作るバイパス手術をおこなう。

 心臓弁膜症なら狭くなった弁を広げたり、閉じなくなった弁をクリップで挟むカテーテル治療や、人工弁を入れたり弁を修理したりする手術をする。心筋症なら大きくなって弛緩した心臓を小さくするさまざまな治療をおこなう。

 原因疾患を取り除いた後も、個々の病状に応じた薬による治療を継続する。

 日常生活における食生活をはじめとする生活習慣の指導を受け患者自らが留意したり、心臓リハビリテーションを実践したりする必要もある。

「リハビリテーションは運動療法をはじめ、栄養指導や塩分の制限、体重や血圧の管理など、患者さんが自分でできることも含みます。病院では医師や看護師をはじめそれぞれの専門職のスタッフが協力して患者さんがQOL(生活の質)を保って生活できるようにします」(同)

(文・伊波達也)

週刊朝日  2021年11月5日号

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