佳子さま (c)朝日新聞社
佳子さま (c)朝日新聞社

 そのため、皇室制度の存続について危惧する声もある。コラムニストの辛酸なめ子さんは言う。

眞子さんはずっと皇室を出ていきたかったのではないでしょうか。それが結婚をめぐる大きな騒動につながってしまったことで、今後は愛子さま佳子さまのお相手へのチェックも厳しくなっていくのでは。相手側も世間の目にさらされることになり、たたかれても何も出てこないという確信がないと付き合えない。いろいろな面でハードルが上がってしまいました」

 男系男子の天皇しか認められていない現在の日本の皇位継承制度では、今上天皇の次の世代で皇位継承権があるのは悠仁さま(15)だけ。悠仁さまは、結婚相手と「男子を産まなければならない」という重圧と闘うことになる。こうしたことから、女性・女系天皇を容認すべきだとの声は根強い。その布石なのか、現在、政府内では女性宮家の創設が議論されている。

悠仁さまと秋篠宮さま (宮内庁提供)
悠仁さまと秋篠宮さま (宮内庁提供)

 共同通信は9月、「天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定」と題した記事を配信。それによると、政府の有識者会議で女性皇族が結婚後も皇籍を維持するように求めた案をもとに、愛子さま(19)が天皇家に残り、秋篠宮家の次女佳子さま(26)が秋篠宮家を継ぐことを検討しているという。これらの案は、悠仁さまの負担を小さくすることも考慮していると思われる。

◆「ヒゲの殿下」は皇籍離脱を宣言

 共同通信が昨年に実施した世論調査によると、男系男子に限っている皇位継承について、女性天皇を認めることに「賛成」「どちらかといえば賛成」のいずれかを選んだ人は全体の85%。また、母方に血筋がある女系天皇も79%の人が賛成した。「愛子天皇」を期待する声は国民の中にはあるが、実現できるのか。

 近現代の皇室を研究する政治学者の原武史・放送大教授は言う。

「皇室の女性は強いストレスにさらされ、過去には美智子上皇后が失声症になり、雅子皇后は適応障害になった。また、宮中祭祀のしきたりも女性に負担がかかる構造があります。そうやって皇室制度の改革が遅れる中で、『公』よりも『私』を優先させて眞子さんが米国に行くことは、現在残っている女性皇族も同じことができるという前例をつくったともいえます」

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