植田:それ、僕もある。勘弁してくれって言いたくなるね。

加瀬友貴(ともたか):父を含め、メンバー全員ががんを経験したワイルドワンズは平均年齢73歳ですが、現役で元気に演奏活動をして、55周年を迎えました。これは奇跡だと思います。父の作った音楽でファンの皆さんにエネルギーを与えられる、グループに私も加えていただいたからにはその一翼を担いたいです。

植田:そうだね。55年間続けられたのは幸運。大病を経て、まさかこの年齢まで続けられるとは思わなかった。それもこれも、加瀬さんが残してくれたわれわれのホームグラウンド「ケネディハウス」のおかげだよね。

 まだまだ通過点だと思って、健康には注意を払いながら、やれるところまでやりたいね。

島:そうだね。この「ケネディハウス」がなかったら、ワイルドワンズは続いていなかったかもしれない。もっと続けるためにも体を大切に、3人は健康診断して、体に悪いことはやめて、老化を乗り越えて、4人で続けていきたいね。

鳥塚:66年にデビューして、55年がたった今でもわれわれのヒット曲「想い出の渚」を覚えてくださってる方々がいることに感謝。コロナ禍で不安な世の中だけど、「想い出の渚」はきっと日本が元気だった時代を思い出してもらえる歌だと思う。がん体験を「一病息災」ならぬ「一がん息災」にして、元気を伝える役割を全うしていきたいね。

(構成/本誌・鈴木裕也)

週刊朝日  2021年11月12日号