島:加瀬さん、トリさん、植田さんと、みんなのがん経験を聞いていたから、検査もしたし医者の知り合いもつくっていた。それでもどこかで僕はならないと思い込んでいた。でも結局は順番だったのかな、12年に人間ドックで胃がんが見つかってね。そのころは加瀬さんの時代と比べて医学も進歩していたから「がん=死」というイメージはなかったかな。でも、仕事は休まざるを得なかった。
植田:僕は2月に宣告されて、4月に手術したんだけど、仕事の調整が大変だった。退院して2日後にライブに出たときは、ヒヤヒヤしながらだったよ。
島:僕はがんがわかったときにワイルドワンズの名付け親でもある加山雄三さんのステージのギターの仕事があったんだけど、それは加瀬さんに代わってもらった。「僕もがんになりました」って加山さんに言ったら、「お前もか、ワイルドワンズじゃなくて、ワイルドがんズだな」って言われました(笑)。結局僕は胃を2回、去年は食道がんもやって、合計で6回やっているけど、こうしてちゃんと生きている。さすがに、お酒もたばこもやめましたけどね。
鳥塚:今はみんな食事や栄養のことを考えて、睡眠もちゃんと取るようにして、備えは十分だよね。それから、大事なのは保険。僕はたまたま中学の同級生に保険外交員やってる人がいて、保険には入っていた。おなかを切って無収入になったときに補償があったから安心して治療に専念できたのはよかったね。
島:ウチは奥さんがしっかり保険に入ってくれていたので助かった。掛け金は上がっちゃったけど(笑)。
◆「一がん息災」で元気を伝えたい
植田:僕らの仕事には補償なんてない。僕は20歳のころから三つも保険に入ってた。高額医療保障や個人年金とかもね。家族を心配させたくないからね。
島:備えは大事。検査と保険と信頼できる医者。今では検査でがんと言われたら、すぐ病院に駆け込んで「取っちゃってください」って言う心の準備がある。ただ、信頼できる医者ができたのはいいけど、病院に研修の医学生とかが来ていると、研修生が来ている前でお尻突き出して内視鏡の見学されるのは嫌だな(笑)。