都倉:それはいい言葉ですね。林さんはいま、直木賞の選考委員をなさってるんでしょう?

林:はい。いちばん長くやってます。阿久さんの作品が候補作のときは、まだ選考委員じゃなかったんですが、やってたら、きっと票を入れたと思うな。そうそう私、公益社団法人の日本文芸家協会の理事長になったんです。女性初の。

都倉:おっ、すごい。

林:今年、日本ペンクラブの会長も作家の桐野夏生さんがなったんですよ。初めてトップ二人が女性になって、いろいろやっていこうと話し合っていますので、よろしくお願いいたします。

都倉:はい、何でも言っていただければ。

林:今日はどうもありがとうございました。都倉さんは言葉も3カ国語おできになるし、その語学力と人脈を使って、これからの日本文化をよろしくお願いしますよ。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

都倉俊一(とくら・しゅんいち)/1948年、東京都生まれ。現文化庁長官、作曲家・編曲家・プロデューサー。学生時代をドイツで過ごし、音楽の基礎を学ぶ。69年、学習院大学在学中に作曲家デビュー。ピンク・レディーや山口百恵などの曲を多数ヒットさせ、「日本レコード大賞 作曲賞」「日本歌謡大賞」をはじめ、日本の主要な音楽賞の多くを受賞。80年代からは海外を拠点にして音楽活動を展開。2010~16年、日本音楽著作権協会会長。18年、文化功労者顕彰。今年4月から現職。

週刊朝日  2021年11月12日号より抜粋

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