しいたけ. 今はもう昔と違って、順番待ちしていれば天国にたどり着くっていう神話みたいなものを、誰も信じなくなっていますよね。じゃあどうするっていう時に、一番初めに行動する人が批判されたりバカにされたりしちゃう。例えば週3で東京に住んで週4で違う場所に住むライフスタイルってもう遠くない未来にある気がするんですよ。二つの仕事をして、違う分野から学べることもたくさんある。個人商店の人たちが出てくることが求められてるけど、そのルールがまだできあがってないのかも。
岩田 日本の社会の仕組みは特に、成功も失敗も上にケツ持ってもらうみたいな感じがあると思うんです。でも、アメリカ的な完全実力主義の世界、成功も失敗も自分に責任がある、っていう方が僕はわかりやすい世界だなと思っちゃうタイプ。ダメだったとき、うまくいかないときにも自分で気づけるから。結構過激なこと言ってますけど大丈夫かな(笑)。
しいたけ. うん(笑)。
岩田 グループにいることは今の自分を構成するすべてだし、今まで培ってきたもの、時間、経験は重要であることは間違いないけど、グループの中でも、人って一人ひとり全員違うから、それぞれ役割があるって思ってて。僕の役目、僕がプラスにできることがだんだん減ってきた気がしていて。
しいたけ. 今、話を聞いてて、おそらく岩田さんって、喧嘩がしたいのかなと思って。一般的に、組織から自立するのって1人の力では難しい。「岩田なんかより俺のほうが絶対うまい」「岩田を追い越すぜ」っていう下が出てきて、喧嘩をすることによってバトンを渡せるっていう面があるじゃないですか。今って良くも悪くもそういう喧嘩がなくて、相手をリスペクトして相手のすごさを理解しようとする文化。もちろん素晴らしいことなんだけど、ガチンコファイトクラブ的な文化って、あれはあれでメリットがある。でも新しい事業なら、初心者として喧嘩ができるかも。
岩田 でも僕、基本的にはあんまり波風立てたくないタイプなんですけどね(笑)。