水野美紀さん(写真/品田裕美)
水野美紀さん(写真/品田裕美)

 人気占い師のしいたけ.さんがさまざまな悩み相談にこたえる『みんなのしいたけ.相談室』(朝日新聞出版)。俳優、水野美紀さんは子育て中で、「つい怖い顔になってしまう」のが悩みですと、しいたけ.さんに相談しました。その対談を抜粋してお届けします。

*  *  *

しいたけ. はじめまして、しいたけ.と言います。

水野 はじめまして、水野美紀です。

しいたけ. 僕、今日のために水野さんの本『余力ゼロで生きてます。』を読んできたんです。めちゃくちゃ素敵な本で。

水野 えっ、ありがとうございます、わざわざ。

しいたけ. 子育て前と子育て後の変化が書かれていて。まるで戦場だなって。それで、いただいたお悩みが「やることが多くて常に考えごとをしているのでつい怖い顔になってしまうのが悩みです」というものだったんですが、そりゃ戦場にいるわけだから怖い顔にもなるわな、って。

水野 容量が足りないんですよ。幼稚園のこと、お稽古ごとのこと、仕事のこと、今日のご飯のメニューのこと……今日この後は何だっけ、明日は何かあったっけ、ってずっと考えてるから、子どもにしょっちゅう「怖い顔してる」って言われて。無意識にそうなっちゃうんです。頭の中で整理するのが下手なんだと思います。タスクをきれいにフォルダ分けして、っていうのが頭の中でできない。

しいたけ. 上手い人いますよね、フォルダ分けが。僕はずっととっちらかってる人間で。

水野 そうなんですか?

しいたけ. とっちらかりまくりです。

水野 整理するのが下手なくせに、いっぱい抱え込んじゃうんですよね。子どもに習い事させたりとか。仕事も減らせばいいのに、頼まれるとついつい「やります」って。考えなきゃいけないことが三つ以上になると気持ちだけ焦って脳はなんにも動いてない状態というか、フリーズしてるような状態がよくあります。

しいたけ. それはずっとなんですか? お子さんが生まれてから顕著になった?

水野 子どもが生まれる前は自分のことだけ管理してればよかったので、そんなに大変と思うことはなかったんですよね。子どもが生まれてから自分の脳の許容範囲を知ったというか。

しいたけ. うんうん。

水野 もうこれでいっぱいいっぱいなんだ自分は、って思い知らされますね。

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許容範囲がはっきりした