昨年の日本シリーズ試合後の工藤監督(左)と原監督(C)朝日新聞社
昨年の日本シリーズ試合後の工藤監督(左)と原監督(C)朝日新聞社

「本来なら巨人ファンは温かくて優しい。高橋由伸前監督時代が良い例で結果が出なくても温かく見守った。一部では批判も聞かれたが岡本和真という打線の柱を育てることにもつながった。昨年まで2連覇を果たしているチームなのに、球団そして原辰徳監督への批判がここまで大きいのは信じられない。(ファンは)球団のビジョンや先行きが見えないと感じているのかもしれない」(巨人担当記者)

 開幕前は2年連続で日本シリーズ4連敗を喫した相手ソフトバンクに“リベンジ”すべく、盛り上がりを見せていた。オフにメジャー移籍の問題で揺れたエース菅野智之の調整の遅れは心配だったが、投打ともに日本一へ向けて戦力は整っていると見られていた。フリーエージェント(FA)で梶谷隆幸、井納翔一(ともに前DeNA)が加入し、スモーク、テームズといった実績ある外国人野手も獲得した。またOBの桑田真澄氏が一軍投手チーフコーチ補佐に就任し、明るい話題は決して少なくなかった。

「期待した分だけ落胆も大きかった。開幕直後コロナ禍に見舞われる誤算もあったがカバーしあって上位争いをした。しかし夏場以降、勝負強さを発揮できなかった。日本ハムから中田翔を獲得するなどしたが上手くいかなかった。(安定した戦いを見せた)過去2年と全く違うシーズンとなってしまった」(巨人関係者)

「有能とまで言われた元木大介ヘッドコーチ、宮本和知投手チーフコーチはチーム状態が悪くなると『仲良し内閣』と揶揄された。中田が思ったような結果を出せなかったことも大きい。『若手育成から他球団の大物に頼る昔の巨人スタイルに戻った』と批判された。選手層は12球団トップクラスだけに、結果が残せず逆風が強くなった」(巨人担当記者)

 シーズンは低調なまま終わったが、10月23日には山口寿一オーナーが原監督に対して続投要請をし、内諾を得たことを発表した。このことに関しては、後半戦の大失速などで不満が溜まっているファンから一斉にブーイングが起こった。

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