ひろゆき:それって、テレビに出た最初のころからそんな感じですよね?
ryuchell:最初は、食レポをしていても「これ、全然美味しくない」とか言っていたし、人にも「ええ?ダサい、キモイ」と言っていたし。「バラエティー番組のいい子」でいようというのがすごく強かった。でも、ただのいい子じゃテレビに出続けられないから、その当時は年上の人にもタメ口で話すとか……そう思いこんでいたんですよね。今のバラエティーと、5~6年前のバラエティーは全然違うんです。ドッキリとかの騙され方も、前はひどかった。だから仮面をかぶらないとやっていけないと思っていた。
ひろゆき:なるほどね。
ryuchell:今は、人を表面だけで決めつけずに、ちゃんと背景までしっかり考えてあげることを意識しています。例えば、会社の上下関係の相談が来た時に、満員電車に揺られて、会社に来た人のイライラのボルテージと、クーラーのきいた送迎車で出社する社長のイライラボルテージはまったく違う。「何であの人、朝からあんなに怒っているの?」って言うのは簡単だけれど、その人のバックグラウンドを考えてみる。今朝、誰かに「行っていらっしゃい」って言われたかな?とかね。
■望まれていることにすぐ反応して演出できるという「特殊能力」(ひろゆき)
ひろゆき:相手の生き方や、朝どうだったかも含めての想像だったりとか、バラエティーに出たときに「こうしたほうが受けるよね」みたいな、周りの情報を手に入れたりする感度が、めっちゃ高いじゃないですか! それって、いつからですか? バラエティーで売れたい人って、世の中に何万人もいる。で、売れたいと思っても売れなかった人のほうが多いわけで……。「こういうことを望まれているんだな」「じゃあやろう」と、すぐ反応してそれを演出してできたという2つの能力って、特殊だと思うんですけど。それは、どこから手に入れた能力なんですか?
ryuchell:僕自身では気づいていないんですけど、「人の感情、読み取れるよね」「空気、読めるよね」って褒めてもらったことは何回かありました。割と僕、少数派というか、昔から可愛いものが大好きで。でも、相手の性別でいうと女の子が好きで……だから、いろいろとからかわれた時期がありました。「もしかしたら僕、男の子のことを好きになったほうが、みんなからしたら分かりやすかったかなぁ」とか。「嘘ついているように見られているのかな」とか。自分の、生まれもった性格で悩んだこともあったんです。でもそのおかげか、すごく「人の目を見る子ども」でしたね。「この人にはこうしないと、嫌われるかも」とか「この学校ではありのままでいたら嫌われるかも」とか。