立憲民主党の執行役員会で辞意を表明する枝野幸男代表。代表選は臨時国会の前になる見通し/11月2日(写真/朝日新聞社)
立憲民主党の執行役員会で辞意を表明する枝野幸男代表。代表選は臨時国会の前になる見通し/11月2日(写真/朝日新聞社)

■一言で言えば中途半端

 枝野代表は辞任すべきか否か──。党内外から責任論が巻き起こった。これに先立ち、福山氏は早々と「私の腹は決まっている」と周囲に幹事長職辞任を告げた。事実、党内には「13減」の衝撃はあったものの、良くも悪くも福山氏が引責辞任することで「枝野続投」という選択肢もあった。ある自民党のベテラン議員の一人は、「わずか13減で党首の首をすげ替えるのであれば、党首は何人いてももたない」と逆に枝野氏を慮った。しかし、枝野氏は身を引くことを決意。責任論を抱えたまま、来年7月の参議院選挙を戦うのは不可能と考えたのではないかと周囲は臆測する。

 企業で言えば「オーナー社長」に当たる枝野氏に対する不満や批判は党内に少なからずあった。ある中堅議員の一人は、2017年に一人で立憲を立ち上げた時の意気込みや執念が最後まで感じられなかったと話す。

「一言で言えば中途半端。例えば野党共闘を掲げながらも、他の野党とは一緒に街宣で並ぶことさえ極力避ける。消費減税は事実上の公約のはずなのに選挙戦では最後まで触れない。この人は口では政権交代と言いながら、本気ではないのではないかと有権者に勘ぐられ、見透かされてしまったのではないか」

■次世代の自覚と責任

 枝野氏の辞任を受け、党内は一気に「政局」へと転じた。誰が次期代表になるのか。本命の一人と名前が挙がっているのが、ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で一躍脚光を浴びた小川淳也衆議院議員(50)だ。今回の選挙で小川氏は、対立候補である平井卓也・前デジタル大臣に2万票の差をつけて圧勝した。しかも、当選確実が出たのは開票開始直後、世に言う「ゼロ打ち」だった。選挙戦最終盤、後援会幹部は「勝ち」を確信していた。

「電話をかけても、ビラを配っても、前回とは感触が全く違う。本人が街宣をやるとなれば、郊外のスーパーマーケットに200人近い群衆ができる。人から人へ支持が広がっていっているな。その手応えを感じました」

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選挙に強くならないといけない