加賀まりこさん(左)と林真理子さん [撮影/小山幸佑、ヘアメイク/野村博史、スタイリスト/飯田聡子、衣装協力/KEI Hayama PLUS]
加賀まりこさん(左)と林真理子さん [撮影/小山幸佑、ヘアメイク/野村博史、スタイリスト/飯田聡子、衣装協力/KEI Hayama PLUS]

加賀:ねえ、ほんとに。最初にこのお話をいただいたとき、「えっ、37歳の青年がこんな地味な作品を書いたの?」って思いましたもん。しかも、彼にとって2作目の監督作品ですよ。

林:監督・脚本は和島香太郎さんという方なんですね。お相撲さんみたいな名前(笑)。

加賀:お相撲の北の富士さんの甥っ子なんですよ。

林:えっ、ほんとですか。

加賀:それを撮影中は一言も言わないの。無口なやつで、男らしいといったら男らしいんだけど。

林:監督2作目で主演が加賀さんだったら、すごくドキドキしてたんじゃないですか。

加賀:いやいや、ああいうタイプの人は誰とやっても一緒だと思いますよ。興奮しないタイプの人なのよ。ダメ出しのしかたが、「今のところ、加賀さんちょっとテンションが上がりすぎて、涙がこぼれましたよね。あれはいりません」ってボソボソッて言うの。だからもう一回、みたいな。

林:怒ったりしなかったですか。

加賀:ちょっとムッとしたけど、その気持ちはいったん抑えて、「そうか、涙はいらないってことは、もっと日常的にやってほしいんだな」とか考えますよね。

林:加賀さんが監督に、「このセリフをつけ足してほしい」ってリクエストされたと聞いてますけど。

加賀:「どこかでちゅうさんに『生まれてきてくれてありがとう』って気持ちを伝えたいの」って監督にリクエストしました。私の連れ合いを見てると、息子に対しての思いって、「生まれてきてくれてありがとう」なんだなって思うのね。たぶん連れ合いだって、いい学校を出て、日本経済が順調で、みんなが上昇志向の時期にテレビ局に入って、上ばっかり向いてたタイプだと思うんですよ。でも、この子が生まれたことによってすごく変わったと思う。

林:事実婚のご主人、TBSの演出家でいらしたんですよね。

加賀:そのころの写真と見比べると、別人の顔してるの。あのままだったら、私、好きにならなかったと思う。

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