「とりわけ目にいいことが数々の研究で明らかにされているのがルテインです。ホウレンソウやゴーヤといった濃い緑色の野菜に豊富です。DHA、EPAは抗酸化作用のほか、まぶたのマイボーム腺から分泌される油の質を高め、ドライアイにも効果的とされています」(同)

 抗酸化物質は体の健康維持のために必須。当然ながら、体の一部である目の健康維持にも欠かせないのだ。

■脳の作用で視力回復

(8)ガボール・アイ

 ガボール・アイとは、脳を使った視力回復法だ。物理学者デニス・ガボールが作成した縞(しま)模様のガボール・パッチを見て、制限時間内に同じ模様を探し出す。この模様は視覚をつかさどる脳領域、視覚野に作用しやすく、当初は心理学的研究に用いられていたが、視力回復ツールとしても研究されてきた。

「目の機能を上げるのではなく、視覚野に働きかけ、より鮮明に画像を処理できるようにしようというもの。臨床データが多数報告されています」(同)

 脳の処理能力の向上が目的なので、ぼーっと見ていては効果がない。どういう模様かをしっかり把握することが大事だ。それができれば、同じ模様を見つけ出せなくても問題ない。

 八つの方法を紹介したが、これらは目の定期的な検査を受けていることが大前提だ。40歳以上は、緑内障をはじめとする目の病気のリスクが高くなる。老眼が始まる年代でもある。特に自覚症状がなくても、目の機能が正常か、眼科で確認を。ましてや「最近、見えづらい」と思っているなら、できる限り早めに眼科を受診すべきだ。(ライター・羽根田真智)

AERA 2021年11月15日号より抜粋

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