AERA 2021年11月15日号より
AERA 2021年11月15日号より

 世界中の近視研究者に衝撃を与えた台湾の試みがある。台湾では、20歳以下の約8割が近視。そこで政府は近視予防のため、小学校の体育の授業を屋外で週150分行うことを義務化。理科の授業では屋外観察を推奨した。すると7年間で視力0.8未満の小学生の割合が50%から44.3%になり、毎年増加し続けていた視力不良の生徒の数が大幅に減少。前述の「屋外で過ごす」に加え、屋外で遠くを見ることも効果的だったと考えられる。

「1時間ごとに遠くを見る時間を作れればベスト。その際、漠然と見るのではなく、何か遠くのものにピントを合わせるようにしてください」(同)

(4)体を動かす

「全身の血流が良くなり、無数の血管が通っている目に酸素や栄養を十分に与えられます」(同)

 目安は、30分の有酸素運動を週3回。ただし、運動初心者は、三日坊主にならないことが肝心。スクワット10回や階段の上り下りなど、自分ができることから始め、少しずつ強度を上げていくといい。

■湿度や食べ物にも注意

(5)姿勢を良くする

背の人は、パソコンやスマホと顔の距離が近づきがち。視力のために、姿勢を正すことをお勧めします」(同)

 猫背の一因は、背筋の弱さ。代表的な背筋を鍛えるトレーニングがある。10回を1セットとし、目安は1日1セット。

(6)仕事環境を整える

 目に優しいデスクワークのコツは、「明るい場所」「パソコンの画面と目の距離が40~70センチ」「目線は画面と水平~15度下になる角度」の三つ。湿度にも気を配りたい。

「乾燥した部屋では目の水分が失われ、ドライアイをひどくします。秋、冬は加湿器を用い、湿度を40~70%に調整しましょう」(同)

(7)抗酸化物質を取る

 呼吸で体内に取り込まれた酸素の一部は、「活性酸素」という物質に作り替えられる。これは体の生命維持機能に不可欠だが、過剰に発生すると細胞を傷つけ、老化を促進する。年を取ると活性酸素を適宜除去する機能が低下し、ストレスが多いと活性酸素が過剰に発生しやすい。そこで取りたいのが、抗酸化物質だ。活性酸素の発生や働きの抑制、除去に役立つ。ビタミンA・C・E、DHA、EPA、ルテイン、アントシアニンなどがよく知られる。野菜や果物、ウナギ、鶏・豚・牛レバー、ナッツ類、魚介類、油脂類を食べると良い。

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