ヴァンパイア・ウィークエンドが細野の曲をサンプリングした「2021」と、元になった細野の曲「TALKING」を収録する12インチアナログシングル「Watering a flower 2021」は、「Haruomi Hosono/Vampire Weekend」名義でリリースされることが決まった。

 また同時に、コシミハルとのユニット「swing slow」で1996年に発表したアルバムを新たにミックスする「swing slow(2021 mix)」、映画「NO SMOKING」や「SAYONARA AMERICA」を始めとする最近の映画音楽を網羅した作品集「Music for Films 2020-2021」もリリースされる。

「映画音楽は映画に合わせて作ったものの、ひとつのカラーがありますよね。アンビエント的なカラーが。たまたまその映画が、自分のなかのポップな部分を刺激するものではなく、深く内向していく、いまの時代のなかから生まれたような映画だったので、そこに同調して作ったんです」

「余計なことを言うかもしれないけど、実は『NO SMOKING』もこんな時代だから生まれたというか、この数十年にわたって続く嫌煙運動に対する抵抗ですからね。自分はその嫌われてる人間のひとりとして、非常に無力感を感じながら生きてきた。ちゃんとルールを守りながらね。煙草を吸ってホッとしたいな(笑)」

 ジャンルにこだわることなく、好きな音楽を作り続けてきた細野の生き方は、このような時代だからこそより自由なものに見える。

「おののいてるというのは、そういうことですよね。自由が規制されて、どんどんなくなっている。時代の動きには圧倒的な力がありますから。だから自由が浮き彫りになるんだろうなと。僕は自分ひとりのことで精いっぱいだけど、ひとりひとりにもうちょっと考えてほしいなと思いますね」

暮らしとモノ班 for promotion
重いお米は通販で!おいしいお米選びの参考にするなら、Amazonの米・雑穀の売れ筋ランキング
次のページ
自分は水のように生きていくんだろうな