●源平交互の法則?
さて、その後の歴史で武将たちは自分たちの出自を平氏か源氏に求めるようになっていく。やがて武家政権は平氏と源氏が交互に政権をとるという俗説が生まれたらしい。そのせいでもないだろうが、鎌倉時代の執権北条氏は平氏の流れを汲み、足利氏は源氏、そして織田信長は家系図を作成する際、先祖の平親真を平資盛の子とした。また、徳川家康は源氏を自称していたことはよく知られた話である。源平合戦の話は、現代でも生き続けている。一説によれば、運動会などでも用いられる紅白の組分けは、平家の赤旗、源氏の白旗に由来するものだという。もしも、合戦で平氏が勝っていたら、日本の国旗は赤字に白丸になっていたかも、という話もされている。
そういえば、年末の歌合戦で紅白の区別がけしからんという話が持ち上がっていたが、源平合戦が元になっていることを知っての議論なのだろうか。まぁ、すでに800年以上も前の出来事が元ネタだということを理解している人もそうは多くはないだろう。つい最近まで、源氏が祀られている神社が「白旗神社」だという理由を理解していなかった私が言うのもなんなのだが。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)