プレゼンでは教団との関係や宗教団体であることは説明されなかった。学生は帰宅後にインターネットで調べて関係に気づいた。
「キャンパス内に立て看板があったし、まさか宗教団体だとは思わなかった」
カープをめぐっては今年7月に、福岡市が九州大学の非公認サークル「九大カープ」に出した賞を取り消したことも注目を集めた。学内勧誘や看板の設置について早稲田大学は「公認サークルではなく、『無届け団体』」とし、看板を把握していたかについては本誌の原稿締め切りまでに回答はなかった。
「守衛さんに見つからないように、ビクビクしながら勧誘していました」
そう打ち明けるのは、かつてカープに所属していた元信者の30代女性だ。宗教2世として生まれ、大学進学後は週1回、東京大学などで伝道に励んだ。
「マニュアルは決まっていなかったけど、何を話すかの練習はしました。相手が修練会に参加するまで、旧統一教会関連の用語は使わないようにとも言われていました」
そこまで隠さなければいけないことに後ろめたさもあった。だが、後ろめたさは「サタン的」だと教え込まれていたため、誰にも相談できなかった。(編集部・福井しほ)
※AERA 2022年11月14日号より抜粋