
「石川には下半身ではなく手を意識するように教えるなど、それぞれの特性を生かすための指導方法の引き出しの多さには驚きます。根尾や岡林にも身振り手振りで熱い指導を行っているのも印象的。また京田には本気でトリプルスリーを狙うように意識改革もさせている。結果はすぐに出るものではないが、中村コーチの教えで選手たちが一本立ちできれば中日は優勝争いに加われるはず」(中日担当記者)
07年、当時の落合博満監督から声がかかりテスト生としてのキャンプ参加を経て育成契約で中日に入団した。引退危機から拾ってもらい同年は130試合に出場し、打率.293、20本塁打、79打点と結果を残した。そして日本ハムとの日本シリーズでは打率.444(18打数8安打)、4打点でMVPを獲得。日本一が決定した後のインタビューで涙を流したのを覚えているファンも多いだろう。誤解されやすい部分もあるが情に厚い純粋な男は今回も中日への恩義を感じているはずだ。
「何度か試合を拝見し、打てないというのをよく耳にしていました。良い選手がいるので良い形で指導できれば」(11月2日の就任会見)
中村コーチが指導した選手が一人前になった時、令和版の強竜打線が出来上がる。かつて“いてまえ打線”の中軸を担った男の教え子たちが名古屋でその打棒を発揮する日はくるのか。中日ファンはノリに大きな期待を抱いている。