■まずは、実行すること
修正主義を徹底することで、グローバルに大きく成長した企業の代表例がスターバックスコーヒーです。
現在のスターバックスは、美味しいコーヒーやサンドイッチなどが手軽な値段で楽しめる店として、世界中の国々に定着しています。近年は電源とWi-Fiがあることから、パソコンやスマホを使って仕事ができる空間として、読書をしたり取引先とのミーティングにも使われるようになってきました。
スターバックスと言えば、先進的でおしゃれでフレンドリーな店員とのコミュニケーションを思い浮かべる人も多いでしょう。ところが、1980年代のアメリカのスターバックスは、今とはだいぶ違うコンセプトの店だったことをご存じでしょうか。
82年にスターバックスに入社し、のちに会長となったハワード・シュルツ氏は、イタリアに旅行したときに現地のエスプレッソとコーヒー文化に感銘を受けたことで、スターバックスのコンセプトを着想します。
当初シュルツ氏が目指したのは、「完璧なイタリアンカフェ」。イタリアのカフェのように立ち飲みスタイルでエスプレッソを飲みながら、シガーをくゆらせるような店で、音楽もイタリアのオペラがかかっていました。
長い年月の中で、スターバックスを訪れるお客様の様子を注意深く観察しながら、現在のようなスタイルに修正していったのです。スターバックスの今の姿は、修正に修正、そしてまた修正と、飽くなき修正を積み重ねた結果なのです。
修正主義で大切なのは、「まずは、実行すること」です。
実行して結果を得なければ、何を修正すればよいかが分かりません。答えがない不透明な時代だからこそ、「DA・DA・DA」の無限サイクルで突き進んでいく生き方が大事になります。
たとえ失敗しても、すぐに改善すれば、大きなダメージを受けることはありません。とにかく一歩、踏み出すこと。
日本の多くの組織は、これまで「正解主義」に覆われてきました。