慶応大・下山悠介(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
慶応大・下山悠介(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 その他の投手では伊藤茉央(東農大北海道オホーツク)、佐藤亜蓮(仙台大)、増居翔太(慶応大)、神野竜速(神奈川大)、川合勇気(神奈川大)、荒木雅玖(九州産業大)なども春以降の成長次第では候補となるだろう。

 野手では土井克也(神奈川大・捕手)、石伊雄太(近大工学部・捕手)、下山悠介(慶応大・三塁手)、萩尾匡也(慶応大・外野手)などが候補となる。土井は強打が魅力のキャッチャー。明治神宮大会出場のかかった横浜市長杯準決勝の上武大戦では劇的なサヨナラツーランも放っている。今大会でも初戦はノーヒットだったものの、準々決勝から準決勝にかけては6打数連続安打、8打席連続出塁と打ちまくり、3試合で5割を超える打率を残した。少しバットを低い位置で構えるが、ゆったりとした動きでトップを作り、広角に鋭い当たりを放つ。守備面はスローイング、ブロッキングともに少し不安定だが、捕手らしい雰囲気があるのは魅力だ。

 一方の石伊は高い守備力が光るディフェンス型の捕手だ。2.00秒を切れば強肩と言われるイニング間のセカンド送球は最速1.86秒をマーク。打者が四球となったためタッチプレーは発生しなかったが、実戦でも楽に1.9秒台をマークし、コントロールの良さも目立った。バッティングは佛教大の木村の前に3打席連続三振に倒れ、全国レベルの投手の前には課題が見えたが、振る力はあるだけに楽しみな存在だ。

 下山は高いレベルで走攻守三拍子揃った強打のサード。今大会は3試合で3安打に終わったものの、準決勝の神奈川大戦では劇的なサヨナラツーランを放ち、チームを決勝進出に導いた。下級生の頃からレギュラーを務めているが、年々力強さはアップしている。常に全力疾走を怠らない走塁と軽快なサードの守備でも目立つ存在だ。

 萩尾は長打力が光る外野手。リーグ戦ではここまで規定打席に到達したことはないが、今大会はレフトでフル出場を果たし、2本塁打を放つ活躍を見せた。少し構えは小さいが、鋭い振り出しでパンチ力は十分。決勝戦ではバスターでライトスタンドにも叩き込んでいる。外野の守備は少し判断とスタートに不安が残るが、貴重な右の強打者タイプとして注目を集めることになるだろう。

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ドラ1に浮上する選手は出てくるか