子どもって、人と異なることを嫌います。新しいものにも手を出そうとしません。アメリカでは、近所に住んでいた義弟や義妹一家を呼んで和食をふるまうことが時々ありました。義弟や義妹が巻き寿司やラーメンを喜んで食べてくれた一方で、姪っ子と甥っ子は頑として手を付けず、サンドイッチを食べていました。自分のいとこの出身地が日本なのか中国なのかもあやふやで、日本について尋ねてくることはないし、我が家の子どもたちが自ら日本の話をすることも一切ありませんでした。義妹たちは「せっかく異文化に触れる機会なのに」と肩を落とし、私たち夫婦は「せっかく自分の文化を紹介する機会なのに」とため息をつきましたが、子どもってそういうものなのでしょう。個性や目新しさを尊ぶのは、大人だけなのです。
子どもたちには自分の文化に誇りを持ち、胸を張って他者に伝えてほしいと思っているのですが、今はなかなか難しいようです。子どもはそういうものなのだと、親のほうが認識を変えなければならないのでしょう。七面鳥柄のワンピースは、家でパジャマとして着ることにしました。
〇大井美紗子(おおい・みさこ)/ライター・翻訳業。1986年長野県生まれ。大阪大学文学部英米文学・英語学専攻卒業後、書籍編集者を経てフリーに。アメリカで約5年暮らし、最近、日本に帰国。娘、息子、夫と東京在住。ツイッター:@misakohi
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