私も13年の第3回大会で投手総合コーチを務めたが、投手起用で経験から言えることは一つ。その時に一番調子の良い投手を見抜き、実績に関係のない手を打てるかどうか。例えばダルビッシュや、大谷の投手起用は、メジャー球団との細かい調整もあるだろうし、ある程度早い段階で固定しなければいけないだろう。ただ実際にマウンドに立った時に、全然ボールがいかないことだってある。その時に交代の遅れは致命傷になる。
まずは代表に選ばれた選手が無事にWBC開幕の舞台に立てることを願う。どんな大会でも直前に故障し、あえなく辞退となる選手は出てしまう。合宿合流初日から戦いが終わる時まで、下を向くことなく最後の瞬間まで戦えるチームであってほしい。
まもなく2月のキャンプを迎える。WBCの代表選手の動きはもちろん、ルーキーや伸び盛りの若い選手を見ることが楽しみである。キャンプに足を運んだ時には、このコラムで紹介していきたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2023年2月3日号