【ビルボード 2021年年間HOT Animation】LiSA×『鬼滅の刃』強し、「炎」が堂々1位
【ビルボード 2021年年間HOT Animation】LiSA×『鬼滅の刃』強し、「炎」が堂々1位

 2021年年間Billboard JAPAN総合アニメソング・チャート“HOT Animation”で、『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の主題歌であるLiSAの「炎」が1位に輝いた。

 昨年10月に公開され、コロナ禍ながらも空前の大ヒットを記録した同映画は、アメリカ、台湾、香港、オーストラリア、中南米など45の国と地域で上映された。国内興行収入は400億円以上で国内歴代興収ランキング第1位(12月9日現在、興行通信社調べ)と、新記録も樹立したことは大きな話題に。「#煉獄さん300億の男」がTwitterでトレンド入りしたことも覚えてはいないか? 映画のヒットと比例して「炎」もチャートを大いに賑わせ、LiSAは歴代シングル最多の累計289,623枚を売り上げた。ダウンロード1位、カラオケ1位、動画再生1位、ルックアップ1位、ストリーミング2位、CDセールス3位、Twitter 3位、ラジオ4位と、どの指標も高い順位をマークして、堂々の1位に輝いた。また、本集計期間中に11度のNo.1に輝き、初登場してから現在までトップ10をキープしている。2020年の年間チャートのトップだった「紅蓮華」に続き、2年連続でLiSA×『鬼滅』コンビがチャートを制した。

 TV版主題歌の「紅蓮華」は、2019年リリース楽曲ながら年間6位にチャートイン。3年連続トップ10入りだ。この1年の間に総集編が度々オンエアされ、その度にチャート・アクションを起こした。12月5日から放送開始した待望の続編『遊郭編』のオープニングとエンディングをAimerが務めており、ネクストLiSAとなるか、早くも今後の動きに期待が膨らむ。

 続く2位は上半期3位だったYOASOBIの「怪物」(TVアニメ『BEASTARS』オープニング曲)がチャートイン。原作とコラボしたミュージックビデオも人気で、動画再生・カラオケ・ストリーミングの3指標が牽引して、14週連続首位を記録した。本曲も初登場から現在までにトップ5をキープするなど、息が長い。そして年間3位には菅田将暉の「虹」がチャートイン。本曲も昨年11月に公開された映画『STAND BY ME ドラえもん 2』のヒットと合わせて、年中チャートインした楽曲だ。

 そのほか、トップ5には、人気アニメ『呪術廻戦』の第一期オープニングを飾ったEve「廻廻奇譚」と『東リベ』こと『東京リベンジャーズ』のオープニング曲であるOfficial髭男dismの「Cry Baby」がチャートイン。両曲とも共通するのはシングルCDとしてリリースされていない点で、フィジカル・ポイントがないものの、デジタル領域で高ポイントを稼いでいる。TikTokやSNSでは、キャラクターに扮した動画やコスプレに挑戦する投稿が多く見られ、前年と比べて検索数が急上昇した人物や作品を表した『Yahoo! 検索大賞2021』のアニメ部門で『東京リベンジャーズ』が1位、『呪術廻戦』が2位に入るなど、どちらも今年を代表するアニメ作品であることは間違いない。『呪術廻戦』関連曲で言えば、トップ10圏外ではあるが、第二期のオープニング曲であるWho-ya Extendedの「VIVID VICE」が年間18位、第一期のエンディングを務めたALIの「LOST IN PARADISE feat. AKLO」が年間21位に入っており、楽曲人気も非常に高いことがわかる。『呪術廻戦』の原点を描いた『劇場版 呪術廻戦 0』(12月24日公開)の主題歌にはKing Gnuの「一途」が決まっており、こちらの動向も気になるところだ。

 デジタル領域で高い人気を誇る楽曲が軒並みトップにチャートインするなか、Snow Manの「Grandeur」(TVアニメ『ブラッククローバー』オープニング曲)は、累計セールス1,030,567枚という圧倒的なCDセールスのポイントとTwitter・ルックアップ指標が牽引して、上半期に続いてトップ10をキープ。そして今年の映画興収No.1である『シン・エヴァンゲリオン劇場版』から宇多田ヒカルの「One Last Kiss」も年間8位に入り込んだ。地上波テレビのパフォーマンスといったメディア露出が一切なかったものの、これまで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ全てに楽曲提供してきた宇多田に対するファンの支持力の高さが見て取れる。

 昨年から引き続き、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今年も家で過ごす時間が多かった人も多いはず。昨年延期された大型作品が立て続けに公開されたり、席販売を全席開放したりと、一時期はコロナ前と同じ状態に戻ったようにも思えたが、長期的な映画の盛り上がりがイマイチ見られず、逆にTVアニメのヒットが目立った。ただ、今後も私たちを熱狂させる作品が多く待ち構えているはずで、まだ出会えていない新しい音楽×アニメヒットの誕生を楽しみにしたい。

Text by Mariko Ikitake

◎【Billboard JAPAN HOT Animation of the Year 2021】トップ10
1位「炎」LiSA
2位「怪物」YOASOBI
3位「虹」菅田将暉
4位「廻廻奇譚」Eve
5位「Cry Baby」Official髭男dism
6位「紅蓮華」LiSA
7位「Grandeur」Snow Man
8位「One Last Kiss」宇多田ヒカル
9位「インフェルノ」Mrs. GREEN APPLE
10位「Universe」Official髭男dism

集計期間:2020年11月23日(月)~2021年11月28日(日)