格差が激しい今、極端に弱い人が増えてしまった。たしかに、女性の賃金が男性に比べ安いのは問題だ。でも、辻元さんに救ってもらいたかった女性以外の人もいたかもしれない。
というような疑問を口にするだけであたしもミソジニー認定を受ける。辻元さんが遭った嫌がらせは嘘(うそ)じゃない。しかし男女の分断を図る自称フェミニストのようになってほしくない。国会に彼女は必要だから。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2021年12月24日号