オーストラリア・シドニーでは毎年大晦日から元旦にかけ、カウントダウンの花火が打ち上げられる(gettyimages)
オーストラリア・シドニーでは毎年大晦日から元旦にかけ、カウントダウンの花火が打ち上げられる(gettyimages)

 オーストラリアでは、クリスマスが日本のお正月のような静かな家族の祝日で、年越しは仲間とわいわいやるのが常。昨年から感染拡大が抑えられているパースでは、パンデミック前とほぼ変わらない生活を送っています。このまま状況が変わらなければ、息子たちは今年も友人たちとカウントダウンでしょう。昨年は、家に取り残された夫と東京の一人暮らし部屋の私でビデオ通話をつなぎ、「ゆく年くる年」の画面を映して、一緒に除夜の鐘を聴きました。日本が一足先に新年を迎えたら、次は夫がパースのテレビ画面でシドニー港の年越し花火大会の録画映像を中継(パースはシドニーから3時間遅れで新年を迎えます)。もう一度あけましておめでとうを言い、「年の初めはさだまさし」でダラダラ夜更かししました。案外楽しかったです。

 三が日には、近所の友人が手作りのお節を届けてくれました。今度のお正月も彼女と初詣して、お茶でも飲めたらいいな。先が見えない時には、身近な小さな幸せをゆっくり見つめることができますね。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

AERA 2021年12月20日号

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