タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。
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ワクチン接種を終えて、この年末は久々に家族や親戚と会えるという人も多いでしょう。私は前回も書いた通り、西オーストラリア州の厳しい入境制限や最近のオミクロン株の出現により、2年連続の一人での年越しが決まりました。息子たちと夫に最後に会ったのは2020年の1月。昨年は家族と会える目処も立たず、ひどく落ち込みましたが、今年に入ってからはもう「いつ会えるかな」ではなく「いつかは会えるさ」と腹を括りました。もともと14年から、私が一人で日本で働いている間はずっとビデオ通話で家族の関係を築いてきたので、みんな慣れています。この2年の間に長男は大学に進学し、次男は私の身長を追い越しました。ハグできないのは寂しいけれど、みんな強くなりました。