角谷氏はこう評する。
「ワクチン担当相に初入閣で岸田派の堀内さんを持ってきたのは、岸田首相がコロナ対応を軽視しているというより、自分が発信したかったからではないか。堀内さんはお飾りになってしまっています」
◆斉藤鉄夫国交相
公明党枠で入閣した斉藤鉄夫国土交通相も組織の統制能力(ガバナンス)の不足から省内で次々とトラブルが発生し、官僚の信頼を失ったという。
建設業の受注実態を表す国の基幹統計を国交省が書き換えていた問題では、政策の元となる統計データを偽造したことを斉藤国交相自ら「陳謝」したものの、完全に「他人事」にように見えた。
「斉藤大臣にとっては、あくまでホームは信濃町。国交省にはお客様としている感がありありと伝わってくる。オミクロン株の水際対策として国交省航空局が出した国際線新規の予約停止要請について『聞いてない』などと発言。大混乱した背景には、斉藤大臣自身のトラック協会疑惑や資産報告書の1億円記載漏れなどの対応で手いっぱいという状況があった。省内よりまず、自身のことについて脇を固めてほしい」(国交省幹部)
斉藤国交相は21日、リニア中央新幹線の工事をめぐる国の有識者会議での中間報告書を受け、JR東海の社長と面会し、地元への真摯(しんし)な対応を進めるよう異例の直接指導を行った。
「リニアの指導はかなり唐突感がありました。省内の空気を読めていないのではないかと不安になりました」(角谷氏)
◆二之湯智国家公安委員長
二之湯智国家公安委員長はすでに政界引退の意向を表明していた中での異例の初入閣。年齢も77歳と岸田内閣でも最高齢で存在感はほとんどない。
こうした経緯から、霞ヶ関内でも「思い出入閣」との評価で、大臣就任時の会見も記者から「思い出入閣では?」と直撃され、本人が反論する場面もあった。
「ある意味その場面が、二之湯大臣がこれまででメディアから注目された最初で最後の場面でした」(政府関係者)