RYUHEI(撮影/写真映像部・松永卓也)
RYUHEI(撮影/写真映像部・松永卓也)

 RYUHEIが、「俺できますよ?(笑)。俺だったらどうですか?」といたずらっぽく話しかける。

 他のメンバーからも、次々と自発的にアイデアが出てきた。MCの流れも含めてボーカルラインを細かく分解し、今回の公演ではどう見せるかをすり合わせていく。JUNONは自身の担当パートを繰り返し口ずさんでいる。

 SKY-HIはその様子を見守りながら、こう話した。

「ツアーはこの後も続くから、次の愛知公演でやってみる? そのあたりだとやり方がフィックスするんじゃないかな」

 本番まで1時間半。緊張感が感じられたのは最初だけで、SKY-HIの口調が極めてフランクなせいか、関係性はフラットに見える。SKY-HIは「こうしなさい」ではなく、「どっちでもいいよ」というニュアンスを入れ、提案を投げかけた。それを受け、メンバー全員が主体的に考えている。さらに、SKY-HIからは少し先の視点に立ったアドバイスがあり、チャレンジした先の道のりまでが見えてくる。

SHUNTO(撮影/写真映像部・松永卓也)
SHUNTO(撮影/写真映像部・松永卓也)

■「全員が人生の主役」

 こんなやりとりからも見える両者の関係性とクリエイティビティーに注目し、AERAは密着取材を申し込んだ。

 BE:FIRSTが本誌8月29日号の表紙に登場し語った内容は印象的だった。年齢も経歴も個性も異なるメンバーがお互いを尊重していた。自分たちのみならず、観客や世の中の人を指して「全員が人生の主役」と語り、その上で関係性を築こうとしていた。そして、口々にプロデューサー、SKY-HIの影響力について語った。

 SKY-HIとはいったいどんな人なのか。目の前のその人は、一回りほど年下のメンバーに溶け込み、飄々としている。

 打ち合わせを終えると、いよいよリハーサルだ。メンバーたちは「お願いします!」と元気よくスタッフに挨拶し、ステージ上に並ぶ。何人かはもう歌い出している。LEOがもう一度、場を仕切った。

「改めまして、BE:FIRSTです! 今日も1日よろしくお願いします!」

 全員が再び挨拶をすると、PA卓前の座席についたSKY-HIとスタッフが拍手を送った。

 LEOは「いつもより客席が遠く感じるね。ひとつひとつの席が離れているんだ」と客席を確認し、スタッフから得た情報をメンバーにシェアした。ワンマンライブの経験はまだ多くないが、段取りは板についているようだ。リハーサルの合間にも、それぞれが自分のパートを歌ったり、踊ったり、準備に余念がない。RYOKIが「最近イヤモニがよく絡む」とこぼすと、LEOが「大丈夫?」とさりげなく声をかける場面もあった。SOTAはダンスに独自のアレンジを取り入れており、「つまずいたのでは」と案じたスタッフに「あれはアレンジです」と請け合った。

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