10月、建国記念の日に相当する「双十節」であった台湾の軍事パレード(写真:gettyimages)
10月、建国記念の日に相当する「双十節」であった台湾の軍事パレード(写真:gettyimages)

中林:宮家さんの著書には、台湾が中国に取り込まれるシナリオもありました。その場合はこの地域の安定はどうなりますか。

宮家:台湾は南シナ海の北、東シナ海の隣にあり、太平洋の出口にも近い。台湾の東側に軍事基地が置かれる場合、日本のシーレーン(海上交通路)に対する政治的、軍事的圧力が極めて強くなるし、台湾だけで済まない場合もある。この地域の自由で民主主義の経済にとっては大きな打撃になります。

中林:台湾に対する中国の攻撃を抑止するには、米国を引きずり込むしかありません。それを日本は真っ先に考えなければいけない。一方で、バイデン政権は一国では世界秩序を守り切れないと認識している。日本もそれに力を尽くすと示すことが、中国の行動を抑えていくと思います。

(構成/編集部・深澤友紀)

AERA 2021年12月27日号より抜粋

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