例えば、料理系チャンネルでは、従来のマネジメント業においては、動画の投稿内容や企画、制作面でのサポートや、企業案件の紹介や演者のスケジュール等をサポートします。エージェント業は、出版社と交渉して料理本の出版や、メーカーと共同したキッチン用品の開発、アパレルも巻き込んでエプロンなどのグッズ展開、レシピサイトとの専属契約などの展開の話をまとめる仕事です。YouTuberにとっては、印税やライセンス収益などの広告以外の定期的な収益が発生します。エージェントも、YouTubeの外側からの収益に対して仲介料を受け取ります。このように、YouTuberの収入をYouTubeの外側に拡張する作業が、今のYouTube事務所には求められています。UUUMはまさに、マネジメント業からエージェント業に切り替えるという発表をしたのです。
現在のUUUMは、売上高の50%以上が広告収益といわれています。いわば、Googleからの広告単価やYouTubeの再生回数によって、会社の売上が変動してしまう状態です。グッズや物販やライセンス収益など、YouTuber自身のブランド化による、YouTubeの外側からの収益の割合を増やした方が、会社のビジネスとしては盤石となります。企業価値を高めるためにも、この収益モデルや運営方針の転換は必須ともいえます。
今回、UUUMは専属クリエーターを150組程度にすると発表しましたが、UUUMの社員数は2021年5月末時点で545人です。現実的に、エージェント業をする場合、単純な割り算の計算ですが1組のクリエーターに必要な人数としては少ないと思います。おそらく、150組の中で30~50組程度を重点的にエージェント業を行い、そのロールモデルを残りの100組程度に当てはめる形で進行するのではないかと推測されます。UUUMのマネジメント業からエージェント業への転換がうまくいくかどうかは、必見です。