一方で、格闘技ライターは複雑な表情を浮かべる。

「世界最高峰の格闘技団体のUFCやベラトールに比べると、RIZINはこんなことで話題になるのが寂しいですよね。シバターは素人に毛の生えた格闘家です。多くの視聴者に興味を持ってもらうために久保との対戦カードを組んだのは理解できますが、色モノに頼ってばかりでは格闘技団体としては衰退の一途をたどるばかりです。例えば00年代のK-1は魔裟斗、アルバート・クラウス、ブアカーオ、山本KID徳郁、小比類巻貴之ら実力と華を備えた選手が多かった。お互いピリピリして口も利かなかったですしね。その緊張感が格闘技ファンは魅力的に映った。時代が違うのかもしれませんが…」

 シバターが出場辞退を表明していることについてネットやSNS上では、「演出でもどっちでもいいけど。こんな奴で話題性獲ろうとするライジンって…。真面目に格闘技やってる他のファイターやそれを応援するファンに失礼じゃないですか。格闘技団体としての質が落ちまくってませんか(原文ママ)」、「試合の内容よりも数字が大事。これがRIZINの発想。強さを追及する団体ではない」などの指摘が。

 シバターが出場するか注目されていることについて、寂しい思いを抱く格闘技ファンは多い。RIZINは今後、どのような方向性に進むのだろうか。(神田康博)

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