住民の命を守るために最善を尽くすのが自治体の役割です。新型コロナの感染者数が急増し、保健所の機能が麻痺した第5波の際、島田市は保健師が自宅療養者の健康観察などを行える態勢を整えましたが、「プライバシーの保護と公衆衛生上の必要性を考慮し、個人情報は開示できない」とされ、プッシュ型で自宅療養者の情報を得ることができませんでした。

 コロナ禍は災害です。市民生活に直結する問題に関しては自治体の判断を尊重し、より柔軟に裁量権を認めていただきたい。地域の事情に合わせ、ボトムアップを図ることこそが今の日本に必要だと考えています。

(編集部・渡辺豪)

AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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