在庫3800万回分のうち1600万回分がファイザー製、2200万回分がモデルナ製だ。
ブースター接種は、どちらでも構わず、最初の2回とは異なる「交互接種」も可能とされている。海外でも交互接種が可能な国が大半だ。
米ベイラー医科大学などの研究チームは458人を対象に、さまざまなワクチンの種類を組み合わせて打ち、中和抗体価などを調べた。まだ研究は継続中で、第三者の審査を受けた論文にはなっていないが、予備的に公表された論文によると、どの組み合わせでも、接種15日目の中和抗体価は接種直後の10倍以上に上がっていた。
組み合わせ別の中和抗体価も発表された。ただし、この研究では、モデルナ製ワクチンはブースターで100マイクログラム接種されたが、実際には半量の50マイクログラムしか打たない点に注意が必要だ。
医療従事者と一部の高齢者以外の人がいつブースター接種を打てるのかは、ワクチンがいつ、どれぐらい輸入できるか次第で、現時点では不明だ。
このため、水際対策と国内の感染拡大防止対策で、できる限りオミクロンの拡大スピードを抑え、多くの人がブースター接種を受けられるようになるまで時間稼ぎをする必要がある。
個人の取れる対策はオミクロン株の場合でも他の変異株と変わらない。感染が広がりやすい分、より徹底するしかない。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2022年1月3日-1月10日合併号