関西電力の美浜原発3号機
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 支持率低迷が続く岸田文雄政権。看板政策であるはずの「新しい資本主義」の中身が一向に見えてこないと思ったら、突如打ち出されたのは「新しい原発」政策だった。いくらなんでも、ひどすぎないですか?

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 岸田文雄政権は唐突に「原発回帰」へと舵を切った。10月3日に開会した臨時国会での所信表明演説で、岸田首相は次のように語った。

「エネルギー危機を踏まえ、原子力発電の問題に正面から取り組む。十数基の原発の再稼働などについて、専門家による議論の加速を指示した」

 岸田氏の突然の方針転換によって、原発の寿命の目安である「40年ルール」が破られようとしている。東京電力福島第一原発の事故を教訓に、2012年に原子炉等規制法が改正された。原発の運転期間は原則40年、電力会社の延長申請を原子力規制委員会が認めれば、1回に限り20年延長できる(最長60年)とのルールが定められた。

 首相の指示を受けて、経済産業省は60年を超えても原発が稼働できるように規制の見直しに着手した。最長で80年の運転を認める米国など海外の事例を参考にしていくというのだ。

 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が厳しく批判する。

「経産省は原発事故時に、なす術がなかった自らの無力さを忘れています。22年7月までに、世界で廃炉になった原発は204基で、その平均寿命は27年なのです。こうしたデータがあるにもかかわらず、米国を真似て80年にしようなんて無謀で無責任すぎる」

 岸田首相が運転期間の延長とともに、原発の新増設の検討を進めることを表明したのは、8月24日。脱炭素の実現について議論するGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議の席上だ。再稼働を進める一方、新たな「次世代革新炉」の開発・建設などに言及した。飯田氏が呆れ顔で語る。

「新増設や革新炉は、現実性も経済性もない。ウクライナ危機や円安の影響などで電気料金高騰や電力不足が起きると危機感をあおっている。火事場泥棒的なやり口です。ドサクサで原発政策をすべて盛り込んだ安い定食屋の全部盛りのようです」

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