研究対象は光合成をするタイルにとどまらず、抗体医薬品の研究にもチャレンジ中だ。

「18歳までに特許を取り、体内の特定の部位の細菌だけを殺傷し、体内の細菌を傷つけずに細菌感染症を治療する、抗体医薬品を応用した薬を開発したいです」(侑輝さん)

 大人顔負け、研究者にしか思えない発言をする一方で、侑輝さんはこんな話もしてくれた。

「研究や実験をしていないときは、動画配信チャンネルでアニメを見たり、ユーチューブでゲーム実況を見たりするのが好き。苦手は食べるのが遅いこと。もう少し早く食べられるようになりたいです」

 世界の課題を解決し、山中さんのようにノーベル賞を受賞するような研究者になってほしい。

 早熟の天才が数多く生まれる音楽の世界にも、若き逸材が現れている。

 愛知県豊橋市の中学1年生、鈴木美音(みお)さん(12)だ。作曲家の父・直己さんの影響もあり5歳でピアノ、6歳で作曲を始めた。ピアノではショパン国際ピアノコンクールのアジア大会で銀賞など、数々のコンクールで大活躍中だ。

 世間を驚かせたのは7歳のとき。東京交響楽団の「こども定期演奏会」のテーマ曲に応募し、美音さんが作曲した「ハリネズミのベッド」序曲が史上最年少で選ばれ、サントリーホールで演奏されたのだ。8歳のときには画家の山崎優子さんが描いた絵本『ぼくたちのうた』に、美音さんが作曲した曲をつけた音楽絵本が出版された。

 10歳のときには、自身が持つ絶対音感を利用して「温度や湿度によってピアノの音がどのように変わるか」を分析した研究で「全国小学生『未来』をつくるコンクール」で文部科学大臣賞を受賞(自由研究部門)するなど、各方面でマルチな才能を発揮している。

 コロナで休校時にはみんなを楽しませたいと、1人で12種類の楽器を演奏し、自作の曲を録音した動画をユーチューブにアップした。「歌作りにどんどん挑戦したい」と声を弾ませる。

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