ふるさと納税といえば、年末に駆け込んで手続きする人が少なくない。「年末ぎりぎりに手続きをして、エラーが出ると、年を越して大変になる」と話すのは、フィナンシャル・プランナーの松浦建二さん。秋口くらいからがお勧めだという。
返礼品の人気は「基本的に食べ物」と松浦さんは話す。総務省が公表した昨年度のふるさと納税で人気の自治体ランキングを見ると、1位が北海道紋別市、2位は宮崎県都城市、3位が北海道根室市など。人気の返礼品例は、紋別市がほたて、ズワイガニ、いくら、都城市が宮崎牛、都城産豚「高城の里」など。
松浦さんによると、紋別市で1人当たり平均の寄付金額が約1万3800円、都城市で同約2万1000円、返礼品は紋別市は魚介類が多く、都城市は肉類という。
一方、食べ物以外の返礼品を見ると、2016年4月の熊本地震のときは、被災地に対して返礼品のない寄付が多かったと、松浦さんは指摘する。最近は、ウクライナ支援で、避難民を受け入れている自治体に対して、返礼品のない寄付が増えている。返礼品なしで変わったものには、沖縄県石垣市のふるさと納税があるという。尖閣諸島の資料収集や情報発信のためのものだ。
こうした寄付については、総務省ふるさと納税ポータルサイトで、調べることができる。どこに、どんな寄付ができるのか、調べてみるといい。
返礼品について、松浦さんは「肉や米、フルーツなどは普通に販売されている。ふるさと納税ならではの食品など、限定品がおもしろい」とみる。寄付先の自治体とつながりができるものとして、その自治体内の宿泊券や温泉利用権などもあるという。たとえば、道後温泉のある愛媛県松山市には、旅行券・宿泊クーポンという返礼品もある。
変わり種では、群馬県中之条町の一日町長就任・感謝券。寄付額が100万円以上で、内容は寄付者の希望に沿ったものとしているが、一例として、議員研修会でのあいさつ、イベント参加、道の駅といった町内視察など。