週刊朝日 2022年9月23・30日合併号より

 そして人はやっぱり「自由でいること」が大事なんです。いまの日本では「人に迷惑をかけたくない」という日本人の美徳が都合良く利用され、自己規制に向かっている気がしています。免許返納を迫る圧力はまさに自由を奪うことだと思います。私、こうみえて、けっこうレジスタンスの人なんです(笑)。

 9月からの舞台「百日紅、午後四時」では、66歳の主人公を演じます。この年代の女性が主人公の映画や舞台は日本でまだまだ少ない。それに日本は人を役割や属性で捉えがちです。お母さんはお母さんらしく、先生は先生らしくしなきゃとか。でも人は誰もがひとりの「人間」でしかない。そんなことを表現できたら、と思っています。この作品によって自分のなかにも新しいなにかが芽生えたらと期待しています。

週刊朝日 2022年9月23・30日合併号より

(構成/フリーランス記者・中村千晶)

週刊朝日  2022年9月23・30日合併号

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