女王とダイアナ元妃(1987年8月4日、AP/アフロ)

 女王の死去に伴い、長男のチャールズ3世が新国王に即位した。注目が集まるのは、君主としての能力だけでなく、カミラ夫人の存在もある。

 女王は生前、彼が国王となった場合は夫人を「王妃にしてほしい」と希望した。国民からは「愛人がクイーンまで上り詰めるとは信じられない」「ダイアナがかわいそう」との声が上がったが、国王夫妻は女王がつけてくれた道筋をうまく進むことができれば、反発は収まるかもしれない。

 ウィリアム王子とハリー王子の関係もこじれたままだ。兄弟は最期をみとるため女王のもとに向かったが、一緒の飛行機には乗らなかったという。19日にも行われる国葬には兄弟そろって参列するはずだ。女王の死によって二人が再会するきっかけになるとは、これも彼女の采配だろうか。

 女王の死に際し、バッキンガム宮殿の上空に二重の虹が現れた。全ての人生を英国民と王室に捧げた女王を、祝福するかのようだった。(ジャーナリスト・多賀幹子)

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