全米で2週連続1位を達成した映画「ブレット・トレイン」を引っさげて、日本を訪れたブラッド・ピット。クールな二枚目のイメージが強いが、意外とお茶目なうえ、大の親日家としての顔も見せ、周囲を笑顔にして弾丸のように駆け抜けていった。
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8月の半ばに送られてきた一通の取材案内状。
<ブラッド・ピットが来日乗車 史上初!!新幹線で“動く”レッドカーペット開催>
と派手派手しいタイトルが躍る。中身を読めば、その内容もまたド派手なものだった。
ブラッド・ピット(58)が、新作映画「ブレット・トレイン」(9月1日公開)のために来日。東京駅から京都駅まで、通路にレッドカーペットを敷き詰めた特別列車を走らせ、共演の真田広之(61)らと車中イベントを行うというのだ。
この映画は、伊坂幸太郎のベストセラー小説『マリアビートル』を映像化したもの。最も運の悪い殺し屋が使命を果たすべく高速列車に乗車したが、そこに乗り合わせた殺し屋たちと遭遇して……という物語だ。
原作の舞台は東京発盛岡行きの新幹線「はやて」だが、映画では東京発京都行きの「ゆかり」に変更されている。それにちなんで、東海道新幹線にイベント用の内装を施した特別列車を走らせようというわけだ。
これは取材しないわけにはいくまい。
とはいえ少々の不安も。なんといってもあのブラピなのだ。永遠の二枚目にして、難民救済や児童保護のために超高額の寄付を続ける意識高い系の俳優が、こんなお馬鹿な(失礼)イベントで弾けてくれるのだろうか。
疑心暗鬼のところに、追加の案内状が来た。新幹線イベントの前日、寺で厄除けをするという。演じた役が世界一運のない殺し屋だし、ブラピ自身が前厄のためだと。
8月22日、東京・高輪にある高野山東京別院に姿を現したブラピ。畳の上に赤絨毯が敷かれた本堂に入ると、神妙な顔で椅子に座る。やがて僧侶たちがぞろぞろと現れ、カンカンカンと鐘が鳴り、経が読まれだした。左右2カ所で護摩がたかれ炎が上がり、太鼓がずっと打ち鳴らされる。