22日、高野山東京別院で厄払いを受ける。燃え盛る炎を前に、神妙な面持ちで祈り続けた(協力=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
22日、高野山東京別院で厄払いを受ける。燃え盛る炎を前に、神妙な面持ちで祈り続けた(協力=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

 8分ほどの儀式を終えたブラピは、

「(映画での)キャラクターがすごくツキのない男なので、厄除けをやったら楽しいんじゃないか。そういう軽い気持ちで臨んだんです。でも実際経験してみますと、すべてが美しい。お坊さんたちもほんとに素敵で、ちょっと涙目になってしまいました。感動しました。こういう体験をさせていただいて感謝しております。日本という国自体がとても美しい。そして文化も美しいと思うんです。ドウモアリガトウ」

 と、感無量の様子で一気に語った。親日家ぶりと謙虚な語り口にちょっと驚かされたが、これは彼の日本愛を示す幕開けに過ぎなかった。

 翌日の東京駅。ブラピは17番ホームに入線した「のぞみ」の先頭車両の前で、ご機嫌な表情でカメラにおさまっていた。

 11時42分、我らが16両編成「団体65号」は、車内アナウンスもなく唐突に動きだした。

 報道陣が乗車した6号車の通路にはレッドカーペットが敷き詰められ、窓には映画のポスターが貼られている。

 発車から50分余り。前方ドアが開いて、デヴィッド・リーチ監督、真田、共演のアーロン・テイラー=ジョンソン、ブラピの順で入場してきた。

 ブラピは、

「実際に乗ってみると、撮影した現場のように感じます。デジャブのよう」

 と新幹線乗車の感想を語り、さらには真田のことをたたえ始めた。

「50年? 40年? それくらいアクションや戦いのジャンルで、ずっとやってこられたこと自体が素晴らしい。一緒に仕事ができたことは非常に光栄です」

 真田がアクションキャリアは55年だと言うと、「アアーッ」と声を上げ、「失礼しました」とばかりに頭を下げて謝るポーズを取った。

 インタビューが終了しフォトセッションが始まると、自分もスマホを取り出して報道陣を撮影する茶目っけも。

 愛想の良さは、報道陣の前だけではない。

■新幹線を絶賛し京都駅長と握手

 京都駅に到着するとJR東海ツアーズ京都支店に向かい、宮川信太郎京都駅長と対面した。

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