桂川のせせらぎが涼しい渡月橋(写真:「健康さんぽ 京都」)
桂川のせせらぎが涼しい渡月橋(写真:「健康さんぽ 京都」)
天龍寺の庭園は座して見る庭の最高峰と称される(写真:「健康さんぽ 京都」)
天龍寺の庭園は座して見る庭の最高峰と称される(写真:「健康さんぽ 京都」)

嵐山に心奪われ

 清水寺に次いで人気の嵐山は、かつて平安貴族たちの別荘地として栄えた京都随一の景勝地。桂川に架かる渡月橋からは雄大な山々が見え、春は桜、秋は紅葉と、穏やかな風景に心を奪われる。世界遺産や名園を巡り、京の自然美の中をそぞろ歩き。まずは、「十三まいり」で有名な法輪寺から。数え年で十三歳の男女が、幸せな人生を祈願しに訪れるという。渡月橋を経て向かうのは、世界遺産・天龍寺。天井に描かれた巨大な雲龍図や、美しい石組みの曹源池庭園は、眺めているだけで心が静まる。禅の世界に癒やされた後は、竹が空を覆うように整然と並ぶ竹林の小径へ。風に揺れる葉擦れの音を聞きながら、大河内山荘庭園を目指そう。園は、昭和の映画俳優・大河内傳次郎が30年という歳月をかけ、丹精込めて造り上げた山荘。「消えることのない美」を追求したとされる庭からは、遠く比叡山まで見渡せる。コース後半では、日本で唯一の髪の神社・御髪神社や、石段から見下ろす紅葉が素晴らしい常寂光寺へ。最後に訪れる野宮神社の「黒木鳥居」は、古代の鳥居の形を今に残す貴重なものだ。社寺と自然が調和した景色を満喫したら、嵐山駅周辺の飲食店へ。スイーツやグルメを堪能し、旅の疲れを癒やそう。(ひでみ企画・井澤和葉)

緑の優しい木漏れ日に包まれた竹林の小径(写真:「健康さんぽ 京都」)
緑の優しい木漏れ日に包まれた竹林の小径(写真:「健康さんぽ 京都」)

AERA 2022年9月5日号

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