「平成の大改修」が完了した清水寺の本堂(写真:「健康さんぽ 京都」)
「平成の大改修」が完了した清水寺の本堂(写真:「健康さんぽ 京都」)
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 京町家に石畳、自然が織り成す優美な風景。どこを切り取っても美しい京都は、のんびり散歩にうってつけ。京都観光に外せない「東の清水」と「西の嵐山」を満喫するコースを紹介する。AERA 2022年9月5日号より紹介する。

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 京都の観光スポットの中でもひときわ人気の清水寺。その建築美もさることながら、周辺には風情ある建物が並び、食べ歩きにショッピングも楽しめると人気だ。そんな定番エリアを、ほどよく歩く約6千歩のコース。スタートは「清水焼」で有名な茶わん坂から。今も多くの陶器店が集まる閑静な通りには、伝統的な作品からモダンを極めた作品まで、多様な器がそろう。お気に入りの一点を探しながら歩くのがおすすめだ。

京風情あふれる二寧坂。普段は観光客で賑わう(写真:「健康さんぽ 京都」)
京風情あふれる二寧坂。普段は観光客で賑わう(写真:「健康さんぽ 京都」)

世界遺産・清水寺へ

 茶わん坂を上った先で待つのは、鮮やかな朱色が美しい清水寺の仁王門。本堂は「平成の大改修」を経て、2020年に約50年ぶりに生まれ変わった。「可能な限りの創建当初の清水寺伽藍(がらん)の再現」を目標にしたという。白木が輝く「清水の舞台」は美しく、そこから眺める京の街並みも絶景だ。1200年の歴史を持つ寺院の新しい姿を拝み、その歴史と未来に思いをはせよう。参拝を終えたら土産店や飲食店が所狭しと並ぶ産寧坂、二寧坂へ。茶わん坂とは打って変わり縁日のようなにぎわいを見せる通りには、古い町家も多く残る。雑貨やグルメについ目を奪われるが、風情ある建物にも注目しながら散策しよう。その後は、フォトジェニックなスポットとして注目を集める八坂庚申堂へ。境内に入るとカラフルな「くくり猿」が目に飛び込んでくる。欲望のままに行動する猿が手足をくくられている姿。一つ欲を我慢して願いを書き込めば、その願いがかなうとされている。つづいて、空也上人像や平清盛坐像などの優れた彫刻が安置された六波羅蜜寺や、あの世とこの世を結ぶ寺といわれる六道珍皇寺へ。コースの最後は、悪縁を切り良縁を結ぶ安井金比羅宮。人間関係に悩む人が多く訪れる境内には、様々な思いが込められた「縁切り縁結び碑」がある。グルメも堪能しつつ、個性ある社寺を巡るのが、京都散歩の醍醐(だいご)味だ。

色鮮やかな「くくり猿」が人気の八坂庚申堂(写真:「健康さんぽ 京都」)
色鮮やかな「くくり猿」が人気の八坂庚申堂(写真:「健康さんぽ 京都」)
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